My Research

日本舞踊における「体幹部」の技法分析 

〜モーションキャプチャーを用いて〜

 日本舞踊ではこれまで、実践の場においても研究の場においても、「手足頭」の技法が認識の中心となってきました。例えば、日本舞踊にはお稽古で先生からうつして頂いた踊りの動きを忘れないように舞踊家が書き留める舞踊譜である「ふりがき」というものがありますが、これはほとんどが「手足頭」のパーツで構成された棒人間によって記されていますし、踊りのお稽古のときにも、「手足頭」の動きが技法化・単元化された動きである「ふり」を正確に覚え、正しく踊れるようにして、次の世代へと伝承することが求められます。

 一方、「胸」「腹」「腰」「背中」といった「手足頭」を除いた胴体の部分である「体幹部」については、”重要である”という認識はされてきましたが、いわゆる”暗黙知”のようなものとしてこれまで受け継がれてきており、「手足頭」に比べ、極めて非明示的に伝承されてきており、言語化されることも、技法化されることもほとんどないままに今日に至っています。

 私はこれまで中心的に取りざたされることのなかった「体幹部」に注目し、「体幹部」は「手足頭」の母体であると同時に日本舞踊の技法全体を支える基盤であり、その重要度は「手足頭」の技法に劣るものではないという考えに基づいて、これまで明らかにされてこなかった「体幹部」の技法を明らかにすべく研究を行なっています。

 また研究の方法としては、「体幹部」に関する指導言語を調査し、その指導言語に対して、実際に「体幹部」の具体的な運動がどのようにして行われているかということを客観的に捉えるためにモーションキャプチャを用い、その運動構造を明らかにすることで指導言語と実際の運動構造との関係性を明らかにしていくということを行なっています。

 本研究の成果が、いつの日か日本舞踊の実践と研究の両方に新たな視座をもたらし、次世代への伝承、教育に大きく貢献するものになること、そして日本舞踊の素晴らしさがこれからもたくさんの人に届くことを目指して、実践家として、そして研究者として一歩一歩研鑽中です。

-​モーションキャプチャの会社の事例紹介掲載記事-

https://www.nacinc.jp/analysis/motion-capture/case07/

-​公開論文-

日本舞踊における「腰」の技法分析—モーションキャプチャを用いて—

-​博士論文-

『日本舞踊における体幹部の技法分析および基礎練習法の提案 : モーションキャプチャシステムを用いて』

© 2020 by Annla_Utsugi

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